冬の夜の香り

　冬の夜の香りが好き。

昔から《季節によって、夜の香りが違う》ということを感じていた。

そんなこと、今までの人生で誰にも言わなかったけど、感じる変化。

香りが変わる度に《ああ、季節が変わってきたな～》と、思える。

　私は特に、《冬の夜の香り》が一番好き。

すんごい、素敵な香りがする！

この素敵な《冬の夜の香り》を、素敵に、かっこよく表現できたらかっこいいけど、

そんなことはできない私。まあ仕方ない。笑

　毎日、洗濯物を干す度に《冬の夜の香り》を堪能している私。

この香りを感じると、昔のことをよく思い出す。

友達や職場の人たちと、お酒をしこたま飲んで楽しんだ日。

仕事を頑張って喜んだ日。

仕事で上手くいかず、悩んでいる日。

　出てくる思い出は、仲の良い友達と、職場の人と、仕事のことだけ。

学生時代のことはあまり思い出さない。

　それはおそらく、夜の移りゆく香りを知ってはいたけど、そのことを心の余裕を持って

感じることはできていなかったからだと思う。

それくらい、その瞬間を生きることで精一杯だったような気がする。

　だけど、お酒を飲んで楽しんだ日や、仕事を頑張った日のことは思い出せる。

素敵な《冬の夜の香り》と一緒に、昔の素敵な思い出を振り返って、

《ああ、昔は頑張ってたな～～》や

《私も年取ったな～～》や

《もう２０２４年も終わるな～～》

なんて、思いながら過ごす１２月。