HSS型HSPの特性を持っている人は《人が気にならないことが気になる》という現象が
よく起こる、と、本に書いていた。
気にならないことは本当に気にならないんだけど、一度《気になるポイント》に視点がいくと
もうずーーーっと気になって仕方ない。
つい最近、久しぶりに一人で飛行機に乗った時のお話。
ほぼ満員の飛行機で私は4列シートの一番端っこに座った。
私の隣が女性で、女性の隣が空席。
座った瞬間に気がつく。
《え~~~~隣の人、肘掛けからめっちゃ肘はみ出て、私の所まできてるや~~ん》
一度気がつくと、もうそこからずっとずっと気になる。
「自分が気にしている」ことに気がついたけど、やっぱり気になる。
頭から離れない。
自分の身体が当たる度に、視界に入る度に、女性が一度肘を動かしてからまたもとの位置
(私の所まではみ出たあたり)に肘を置く度に、
気になる、気になる、気になる。
ここで《気になっている自分》と《そんなこと気にしてるとかダメだ!》と言っている
私の中の私がいることに気がつく。
そうやねん・・・
こんなこと、気にしなかったらいい。
しかし、「気にしない」ができない自分がちゃんといて、その「気にしない」ができない
自分を叱っている自分もいる。
《なんでこんなことで気にしちゃうんだろう・・・》
《普通の人は気にしないはず》
《飛行機に乗るなんて、めったにない機会なんやから楽しまないと》
そう思えば思うほど・・・
気になる。ああっ気になる!
ここでやっと正気を取り戻す。
私は《人が気にならないことが気になってしまう特性を持っているんだ》と気がつく。
そうだったそうだった。
だからこんな細かいことが気になったし、それがたとえ周りの人や、私の中の私が
「気にしなかったらいい」と言っても、気になってしまう。
それはもう仕方ない。特性だもんっ。
私は、目をつぶって自分に意識を集中する。
《私、隣の人の肘掛けの使い方、めっちゃ気になってるよね》
《普通、隣にいたら少しは気を遣うやろっっって思ってるね》
《左隣は空席で、そっちはのびのび使えるんやから、こっちは多少は気遣ってよって思ってるね》
《私やったら、あんな肘掛けの使い方しないって思ってるね》
《そんなこと考えてたらますます気になってきたよね》
そうだそうだ。
私がすごく気にしてるのは《私だったら、こんな使い方絶対しない》と断言できるから。
それくらい、普段から(自意識過剰なくらい)周りの目を気にして生きてるから、
隣の女性の肘掛けの使い方が《あり得ない》と思ってるんや。
そう思うと逆に、私の
《自分だったらしないんやから、相手も同じようにしてよ》という言い分は
多分、あまり良くないよな~。
と、ふと思う。
って思っても、やっぱり気になるけど。
でも仕方ない。
さっきまで、気になってたし、なんなら本当は少し腹が立ってたけど、
少し落ち着いた。
いや、気になるけど(何回目)
でも、数分前より感情は激しく動いてない。
ここまで自分を持ってこれただけ、良いとしよう。
と、思えた。
時々、やっぱり気になるけど、無事に飛行機に乗るという非現実的な状況を楽しめた、
ある一日。
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